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病院・医院名
医療法人よしだ小児科
診療科目
小児科
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所在地
〒790-0844
愛媛県松山市道後一万3-13
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最近の話題・流行している疾患

令和5年5月8日以降の新型コロナウィルス感染症の扱い

厚労省からの通知があったように、5月8日から新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は感染症法の位置付けが、2類からインフルエンザと同等の5類に変更されます。

移行により変わること。

 ・自宅療養期間が決められていましたが、今後は個人の判断に委ねることになります。濃厚接触者という概念は無くなります。家族内に感染者、あるいは学校で患者との接触があっても、本人の感染が確認されてない場合は出席停止にはならない。

・自宅療養者医療相談所は終了します。

・医療費は通常の保険診療となります。

・学校での出席停止期間については「発症した後五日を経過し、かつ、症状が軽快した後一日を経過するまで」(文部省)となってます。

 

インフルエンザの異常行動について(厚労省:2017.11)

インフルエンザにかかったときは、抗ウイルス剤の有無にかかわらず、異常行動(急に走り出そうとする:徘徊するなど)が見られています。異常行動に関連するとする転落死も引き続き報告されており、インフルエンザと診断されてから2日間は注意をするよう言われています。

小児・未成年者が住居外に飛び出ないための対策(例) 

(1)高層階の住居の場合

・  玄関や全ての部屋の窓の施錠を確実に行う(内鍵、補助錠がある場合はその活用を含む)

  ベランダに面していない部屋で寝かせる

  窓に格子のある部屋で寝かせる(窓に格子がある部屋がある場合)

(2)一戸建ての場合

  (1)に加え、できる限り1階で寝かせる

インフルエンザ死亡例とワクチン

インフルエンザ死の多くは未接種

インフルエンザで死亡した小児は多くがワクチン未接種だったとの研究結果が報告された。米国小児科学会(AAP)が4月3日、Pediatrics誌の掲載論文を紹介した。

 研究グループは、2010-2014年の4シーズン中にインフルエンザで死亡した小児(生後6カ月-17歳)291例の記録を調査。291例のうちインフルエンザワクチンを受けていたのは26%で、ワクチンの有効性(VE)は65%と算定された。

 一方、基礎疾患のある高リスク児では、インフルエンザで死亡した153例のワクチン接種率は31%で、VEは51%。このことから、高リスクでない小児でワクチンの効果が高いことが分かった。

 この結果について、同学会は「生後6カ月以上の全ての小児に毎年インフルエンザの予防接種を推奨している現行の勧告を支持するもの」としている。

溶連菌感染症(A群溶血性連鎖球菌感染症)

溶連菌感染症は、多彩な症状を示す感染症で、潜伏期間は2〜5日間、突然の発熱、咽頭痛、倦怠感で発症ししばしば腹痛・嘔吐を伴う。体幹に紙やすり状の紅斑が出現したり、イチゴ舌と言われる変化が見られることもある。現在は咽頭の迅速検査で診断が可能。


治療は抗生剤の投与であるが、ペニシリン系が中心となるが、セフェム系や、マクロライドか使われることもある。投与は10日間は必要。

合併症として溶連菌感染症後腎炎、リウマチ熱の他、肺炎や髄膜炎なども起こりえる。

学校保健法ではその他の感染症として、通常治療開始から2日間程度出席停止が多い。抗生剤投与から24時間すれば感染力はなくなると言われている。

小児のみならず成人にも感染することはある。

アデノウイルス感染症

アデノウイルスには51種類の血清型と52型以降の遺伝子型がありA~Gの7種類に分けられます。

潜伏期間は5〜7日で、便、飛沫、直接接触により感染します。種類が多いので何度も感染します。

◎呼吸器感染症:発熱・咳・呼吸障害などで、重症肺炎を起こすこともあります。

◎咽頭結膜熱(プール熱):39度以上の高熱と咽頭炎扁桃腺炎に両側の結膜炎を起こす。頭痛・腹痛・下痢を伴うこともある。学校感染症の一つで、主要症状がなくなって2日間登校禁止となる。

◎流行角結膜炎(EKC):目が充血し、目やにが出るが、高熱やのどの所見はない。

◎出血性膀胱炎:排尿時痛と血尿。1週間程度で軽快する。

◎胃腸炎:乳幼児に多く、腹痛・嘔吐・下痢をきたす。

マイコプラズマ肺炎・気管支炎

肺炎マイコプラズマによる感染症で、飛沫、接触により感染する。 潜伏期間は2〜3週間で、初発症状は発熱、倦怠感、頭痛で、咳は初発から3〜5日後に始まることが多い。乾性の咳で始まるが徐々に咳は強くなる。解熱後も3〜4週間続くこともある。胸痛を伴ったり、皮疹が出現することもある。喘息様気管支炎を呈して発症することも多い。聴診では診断できないこともあり、レントゲンや迅速検査で診断する。胸水を伴うことも珍しくはない。

治療は抗菌薬の投与である。マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系を使用するが、最近は耐性菌が増え、治療に手こずることもある。予防は一般的な手洗い・うがいであり、特別な予防法はない。

学校保健安全法では明確な規定はない。「その他の感染症」に分類される。したがって、校長が出席停止かどうかを決める。


RSウイルス感染症

RSウイルス感染症(respiratory syncytial virus infection)は、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。繰り返すこともあり、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに感染すると言われています。症状としては、軽い風邪様の症状から重い肺炎まで様々です。しかしながら、初めて感染発症した場合は重くなりやすいといわれており、乳期、特に乳児期早期(生後数週間~数カ月間)にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。そのため、特に乳児期早期(生後数週間~数カ月間)のお子さんがいらっしゃる場合には、感染を避けるための注意が必要です。しかし、大きいお子さんや成人では必要以上に警戒する必要はありません、多くは軽症で治癒します。

飛沫、接触により感染し,潜伏期間は2〜6日、多くは咳、鼻汁などの風邪症状で終わりますが、重症化すると、細気管支炎、喘息様気管支炎、肺炎などに進行します。 治療は対症的に行い,特効薬はありません。 予防としてのワクチンはありません。低出生体重児や、心疾患、免疫不全症、ダウン症などの一部では、モノクローナル抗体による注射があります。

ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)

ヒトメタニューモウイルスは最近見つかったウイルスで、小児の呼吸器感染症の5〜10%をしめるようです。症状はRSウイルスに似ており、発熱、咳、喘鳴、鼻汁などです。症状だけでRSウイルスと区別することはできません。

RSウイルスは乳児期早期での感染で喘息様気管支炎や肺炎を起こし入院をすることも多く見られます一方、hMPV感染症は少し年齢が高く1〜2才で、同様の症状で発症します。発症の時期は少しずれていて、RSウイルス感染は秋から冬が中心ですが、hMPV感染症は2月〜6月に多く見られます。

hMPV感染症もRSウイルス感染症同様、ワクチンはなく、特効薬もありません。感染経路は飛沫、接触ですので、近づかないことや手洗いなどが予防になります。潜伏期間は4〜6日です。診断は、迅速検査キットがありますので,これを用いるのと,レントゲン写真と言うことになります。治療は、対症的で、咳、喘鳴、熱に対する治療となります。

hMPVもRS同様、何回も感染を繰り返し,徐々にかからなくなります。

伝染性紅斑(リンゴ病)

伝染性紅斑は頬に出現する紅斑を特徴とする伝染性疾患でヒトパルボウイルスB19による。頬の紅斑が真っ赤になることから「りんご病」とも言われる。年始から9月頃までに流行することが多く、5〜9才での発症が多い。成人にも発症することはある。 10〜20日の潜伏期間をおいて頬に境界鮮明な赤い発疹が出現し続いて、上腕、大腿部にも広がる。場合によっては体幹にも出現する。発疹は1週間程度で消失する。ほとんどはこれだけで終わるが、基礎に赤血球の形態異常症や溶血性貧血の患者では貧血発作(aplastic crisis)を起こすことがある。また、妊婦が感染した場合胎児異常(胎児水腫)や流産を起こすことがある。また。成人が感染した場合、関節痛・頭痛がひどく、全身の痛みが1〜2日あることが多い。 治療法・予防法はなく対症療法のみであるが、発疹出現時にはすでに感染力はなくなっているので、隔離の必要はない。従って、学校保健法でも出席停止の扱いにはならない。

ウイルス性胃腸炎 ノロウイルス・ロタウイルス

ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルス)は感染力の強いため注意が必要です。

ノロウイルスは秋〜冬、ロタウイルスは冬から春に見られます。潜伏期間は24〜48時間です。

症状は、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・微熱です。治療は脱水がなければほとんど不要ですが、乳児では脱水になりやすいので重症化することがあります。脱水には経口補水液が有効です。

感染を広げないためには、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)による除菌が有効です。アルコールは無効です。

カキなどの二枚貝はこの時期注意が必要で、加熱により予防は可能です。またサザエやアワビなどの巻き貝はほぼ大丈夫です。

またロタウイルスの場合、脳炎・脳症という合併症もありますので、注意が必要です。ロタウイルスにはワクチンがありますので、接種をしておいた方がいいです。